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【2013.07.25 Thursday 】 author : スポンサードリンク
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H17憲法第2問 評価B
第1.41条との関係
1.最高裁判所に法律案提出権を与える本問規定及び内閣の法律案提出権は、国会を「国の唯一の立法機関」とする41条に反しないか。
  国会は、他の機関の関与なしに法律を成立させることができる、という国会単独立法の原則に反しないか、問題となる。
2.(1) 思うに、「立法」過程の本質は、議決にある。
   なぜなら法律案が提出されても、それを否決・修正する議決ができれば、主権者たる国民(1条・前文)の代表機関たる国会(43条・42条)に立法権を独占させ、もって立法への民意の反映と国民の権利・利益保護を図るという41条の趣旨を実現できるからである。
   とすると、法律案提出権を他の機関に与えても、この趣旨に反しない。
  (2)ア. 他方、裁判所の専門的判断を要する事項(77条1項参照)について、最高裁判所の意思を反映する必要がある。
   イ.また内閣は、福祉国家理念(25条以下)実現のため、機動的に専門的な政策形成をするのに適した機関であるから、その意思を反映する必要がある。
3.よって、本問規定及び内閣の法律案提出権は、41条には反しない。
第2.76条との関係
1.(1) 本問規定が最高裁判所に与える法律案提出権は、具体的争訟に法を適用し宣言することでこれを裁定する国家作用ではないから、「司法権」(76条1項)に含まれない。
    ここで、本問規定が司法権の独立(76条1項・3項)に反しないか、問題となる。
  (2) そもそも76条1項が裁判所の独立を定め、さらに3項が裁判官の職権行使の独立を定めた趣旨は、他の機関からの干渉なく、非民主的・非政治的機関たる公平中立な裁判所・裁判官に司法権を委ねることで、国民特に少数者の権利・利益を擁護させる点にある。
   とすると、裁判所に他の機関が干渉し、裁判所の非民主的・非政治的機関性や公平中立性が失われる場合には、司法権の独立に反すると解すべきである。
 (3)ア.本問規定は、最高裁判所に権限を付与しているだけで、これに干渉しているわけではないとも思える。
     また、前述のように、最高裁判所の専門的判断を要する事項に、その意思を反映する必要はある。
    イ.(ア) しかし、最高裁判所に法律案提出権を認めると、政治的争いに巻き込まれて、その非民主的・非政治的機関性が失われかねない。
  また、最高裁判所が自ら提出した法律案の違憲審査・判断をする(81条)際には、その公平中立性に疑問が生じる。
  (イ) さらに、少なくとも法務省などは、本問規定事項についての専門的判断能力の点で最高裁判所に劣らないと思われるから、ここで法律案を作成し、内閣を通じて提出する方法もある。
        その上、司法権の独立を確保するため、一定事項については最高裁判所規則(77条1項)が法律に優先すると解されるので、あえて法律案提出権まで与える必要は小さい。
  (4) よって、本問規定は司法権の独立に反する。
2.他方、内閣については、その独立性を定めた明文はない。
  むしろ、議院内閣制(66条3項・67条1項等)により、国会が内閣に対し民主的コントロールを及ぼすことが予定されている。
  また、前述のように、政策形成に適した機関である。
  とすると、内閣は民主的・政治的機関である。
  そのため、内閣の法律案提出権が内閣の独立に反するかといったことは問題とならないのである。
以上
【2005.07.20 Wednesday 21:45】 author : meanlife
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