方法論集積蔵
 
<< H16商法第2問 評価D | main | H16民法第2問 評価F >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

【2013.07.25 Thursday 】 author : スポンサードリンク
| - | - | - |
H16商法第1問 評価D
機\潴篩庵
1.Bとしてはまず、P社のQ社を相手とする新株発行は明らかに「特ニ有利ナル発行価額」でのものなのに株主総会特別決議(343条)を経ていない(280条の2第2項)との理由で、その無効を訴えをもって主張したいところである。(280条の15)ここで、新株発行がどのような場合に無効となるのか、明文なく問題となる。
(1)(ア)そもそも新株発行は、会社の構成員を募って増加させるという面もあるにはあるが、資金調達目的(?)で行われる、発行の相手方との取引行為という面のほうが強い。これは取締役会決議のみで新株発行ができること(280条の2柱書)にも現れている。
 また株式は自由に譲渡できる(204条1項本文)から、発行した相手方の下に株式がとどまっていることはほとんどなく、このような2次的な取引安全をも図る必要がある。
 よって、新株発行は原則として有効と解すべきである。
(イ)しかし他方、会社の既存株主は、株価の下落や比例的地位の低下といった不利益を被りうる。このうち比例的地位低下については市場で株式を購入するなどの手段で回復できるが、株価の下落といった経済的不利益については一定の配慮が必要と考える。
(ウ)そこで、ヾ存株主が回復不可能なほど重大な損害をこうむる場合に⊃軍発行の瑕疵について悪意の相手方の下にA歓軍瑤とどまっていれば、例外的に新株発行が無効となると解すべきである。↓を満たすような相手方との取引安全は、保護する必要がないからである。
(2)本問では、取引先のQ社に対する新株発行なので△亘たされる可能性がある。しかし、P社株式の株価は大幅に下落しているとはいえ後述のような損害填補手段があるので,亘たされにくいだろう。
(3)よって、新株発行無効の訴えという手段は認められる可能性が低いと思われる。
2.(1)次に、Q社がP社取締役と通謀して株式を引き受けた場合には、著しく不公正な発行価額である50円と、公正な発行価額であると考えられる1000円との差額950円に、発行新株数を乗じた金額の支払義務をP社に対して負う。(280条の11第1項)Q社はP社の取引先だから、通謀が認められることも充分考えられる。
(2)そしてP社株主Bがかかる義務履行を求めていくには、267条を使うことになる。(280条の11第2項)すなわち、株主Bが6月前より引き続き株式を有している(1項)なら、まずQ社に対し上記義務履行を求める訴えを提起するよう、P社に対し請求する。しかしP社がこれより60日以内に訴えを提起しないときには、BはP社を代表してQ社に対し訴え提起できる。(3項)また、かかる期間経過によりP社に回復すべからざる損害を生ずる虞があるときには、Bはいきなり代表訴訟を提起できる。(4項)
3.さらに、280条の2第2項という「法令」に違反したとして、P社取締役のP社に対する損害賠償責任を追及することも考えられる。(266条1項5号)これは一般規定という性格上、取締役の過失が要件となっていると解されるが、かかる重要な法令違反行為については通常過失が認められるだろう。
 よって、この手段も認められる公算が高い。株主Bがこの責任を追及するには、前述の267条を使うことになる。
4.最後に、株主Bは「第三者」としてP社取締役に直接的に損害賠償請求することが考えられる。(266条の3第1項)ここで株主は会社の構成員ではあるが、これにも損害が生じうる以上、「第三者」に含まれると解してよい。
(1)しかし本問株主Bの損害は、P社の株価が大幅に下落してP社財産に損害が生じた結果として生じた、間接損害である。これも「損害」に含まれるのか。
(2)そもそも本規定は、現代社会において株式会社が大きな影響力を持っており、その業務執行を委ねられている取締役の任務懈怠によって損害が生じうる第三者を広く保護するため、特に法定された責任である。
 とすれば、「損害」には広く間接損害をも含むと解した方が趣旨に合致する。また、株主代表訴訟には前述のように株式保有期間要件があるから、これを満たさない株主が主導的に損害填補できる手段を確保する必要からも、かかる解釈が妥当である。
(3)よって、P社取締役に悪意・重過失あれば、Bはこれに対し損害賠償請求できる。この悪意・重過失とは、前述の趣旨から任務懈怠についてのものと解すべきであるが、 本問のような法令違反行為については通常認められるだろう。
供\潴筝綯
 新株発行事項の公示は、株主の新株発行差止請求(280条の10)の機会を確保させるためのものだが、既に新株発行がなされてしまっている以上差止請求の余地はなく、利益状況は前段と変わらず同様の結論になると考える。266条1項5号の「法令」違反責任追及の根拠が1つ増えるくらいである。
                                           以上
【2004.10.23 Saturday 08:59】 author : meanlife
| H16論文本試験 再現答案 | comments(2) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
【2013.07.25 Thursday 08:59】 author : スポンサードリンク
| - | - | - |
この記事に関するコメント
(出題趣旨)
 本問は,株式会社において違法な新株発行が行われた場合に,不利益を受ける旧株主には,商法上どのような救済手段が存在するかを問う問題である。具体的には,株主総会の特別決議を経ることなく,株主以外の者に対し特に有利な価額で新株が発行された場合に,旧株主は,当該新株発行の効力を争うことができるか,関係者の民事責任を追及することができるか,当該新株発行事項の公示がされていなかった場合はどうかについて,判例・学説の状況を理解した上で,整合的に論述することが求められる。
| | 2004/11/23 4:47 AM |
「商法上どのような救済手段が存在するかを問う」
・救済問題。キューサイの青汁〜…すまん。

「株主総会の特別決議を経ることなく,株主以外の者に対し特に有利な価額で新株が発行された場合に」
・「特に有利な発行価額」の解釈はしなくていいと。

「関係者の民事責任を追及することができるか」
・これちょっと驚いたんだけど。民法709条との比較で266条の3を理解しとけってこと?それとも商法上の責任も「民事責任」だということで気にしなくてもいいのかな?

「当該新株発行事項の公示がされていなかった場合はどうかについて」「整合的に論述することが求められる」
・たぶん、特に「整合的に論述することが求められる」のはこの部分だと思う。去年も整合性が求められてたな。
・「どうか」というのは、「関係者の民事責任を追及することができるか」の部分の整合性まで求めているのか?あまり整合性が必要っぽいところはなかったと思うけど…再検証してみるか。
「判例・学説の状況を理解した上で」
・書いていいのは判例学説のみ、オリジナルはやめてね、ってこと?去年もこのフレーズ出てきたけど、今年の方が「判例・学説」の内容が分かりやすいね。
| meanlife | 2004/11/23 5:00 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://meanlife.jugem.jp/trackback/22
トラックバック