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【2013.07.25 Thursday 】 author : スポンサードリンク
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H16民法第1問 評価F
機〔筍
 AがBとの請負契約関係(632条)を終了させるには、この契約を解除する必要がある。
1.そのためAは、土地上に2階建住宅を新築する仕事が未だ「完成」していないので「何時ニテモ解除」できる(641条)と主張することが考えられる。この主張は正当か。
2.確かにBはコンクリートの基礎工事は一応終わらせているが、あくまで契約目的は2階建住宅の新築であり、仕事が「完成」したとはいえない。
 そして同条が「何時ニテモ解除」できるとした趣旨は、注文者にとって不要になった仕事を完成させても、当事者にとっても社会経済上も無駄である点にある。
 とすれば、「解除」するにあたり債務不履行解除のような相手方の帰責性(541条、543条)は不要であり、その代わり請負人の被る損害を賠償させて当事者間の公平を図ったのである。
3.よってAは基礎工事の不完全性などを立証することなく、Bが解除によって被る損害を賠償すれば、前記解除権行使の主張ができる。
供〔筍
1.まずAは、屋根の防水工事の手抜きのため未だ仕事は「完成」していないと主張して、これと対価関係(同時履行関係と書いちゃったかも)にある報酬としての請負残代金1000万円(632条)の支払を拒むことが考えられる。(533条)この主張は認められるか。
(1)確かに厳密には、「完」成していないとは言いうる。
 しかし本当に完全な完成を求めると、瑕疵担保責任規定(634条等)の意味がなくなる。完全に完成するまで請負人の仕事完成義務の履行を求めることができ、瑕疵修補請求等をする必要がなくなるからである。
(2)そこで、外観上一応仕事が完成したと見られるときは「完成」したものと扱い、瑕疵担保責任による処理に移行すべきである。637条が瑕疵担保責任の追及期間をある程度置いており、瑕疵を発見しづらい状況を予定していると考えられることからも、かかる解釈が妥当である。
(3)本問では、Bは一応建物を完成させたとされており、屋根の防水工事の手抜きは外観上分からず1週間後雨漏りがあって初めて気づいたものである。
 よって仕事は「完成」しており、建物も引渡されているので、Aの前記主張は認められない。
2.こうなると、AとしてはBの瑕疵担保責任を追及したいところである。雨漏りによるパソコン等の損害50万円の賠償請求と、屋根の補修工事費用100万円の損害賠償請求か瑕疵修補請求をすることが考えられる。(634条)
(1)まずこれらは「損害」(634条2項)に含まれ、賠償請求が認められると解する。同条は、仕事完成義務が完全には履行されていないにもかかわらず完成したものと扱って利害調整をする債務不履行責任の特則であり、「損害」には履行利益まで広く含むと解されるからである。
(2)よって、Aはこの合計150万円の損害賠償請求権と、1000万円の残代金支払債務とを相殺(505条1項)し、850万円しかBに支払う必要がないと主張できる。
(3)また、屋根の防水工事の手抜きという瑕疵がたとえ重要ではないとしても、100万円という修補費用は建物2000万円に比し「過分」(634条1項但書)ではないと考えられるから、瑕疵修補請求も認められる。
 よって屋根の瑕疵について修補請求を選択した場合、まずAは50万円の損害賠償請求権と1000万円の残代金支払債務とを相殺し、Bに対し950万円しか債務を負わないと主張できる。
 そして、瑕疵の修補と実質的に対価関係のある100万円について、公平の観点から瑕疵修補が完了するまで支払を拒めると解する。(1条2項)
                                           以上
【2004.10.23 Saturday 09:00】 author : meanlife
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【2013.07.25 Thursday 09:00】 author : スポンサードリンク
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この記事に関するコメント
(出題趣旨)
 本問は,請負契約における債務不履行責任と瑕疵担保責任の関係を踏まえ,目的物に瑕疵がある場合等に当事者が主張すべき法的主張を事案に即して展開する能力を問うものである。小問1は,目的物完成前の債務不履行に基づく解除及び641条による解除についてその要件効果を問い,小問2は,目的物完成後の634条による瑕疵担保責任等と請負代金債務との同時履行の抗弁及び相殺の主張の可否,効果を問うものである。
| | 2004/11/21 5:37 AM |
「請負契約における債務不履行責任と瑕疵担保責任の関係を踏まえ」
・まずこれを押さえろと。基本事項。
・小問1で635条を使ってる人がほとんどGなのはこのせいだと思われる。もちろん、635条でも筋によってはセーフどころかはねうるだろう。危険だけど。

「目的物に瑕疵がある場合等に」
・「等」ってのは、‐問1がどちらともとれる問題文であること、⊂問2で「瑕疵」担保の問題にせず、債務不履行や不法行為の問題とすることもできるということ、に基づくのかな。しかし本筋は「目的物に瑕疵がある場合」だと。

「当事者が主張すべき法的主張を事案に即して展開する能力を問う」
・このフレーズ初出。当事者の立場に立てと。
・事案から「法的」主張を抽出せよと。
・明示していないが、主張反論型で書いてほしいのだろうか。「当事者」に相手方も含むと考えればそうなりそうな。

「小問1は,目的物完成前の債務不履行に基づく解除及び641条による解除について」
・この2つが書いてあればOK。逆にこれ以上は余事記載になりうる。「等」がないので。余事記載で減点するかはもちろん分からん。
・債務不履行解除の条文を特定していないので、541条でも543条でもよかったのかな?それとも債務不履行解除といったら541条を指すのか?やべ、基本ぽいのに分からん…後で調べとこ。

「その要件効果を問い」
・これも初出。より基本重視。
・小問2と異なり、論点扱いせずとも、当事者が望む効果から淡々と要件にあてはめればOKぽい。
・択一の勉強しっかりやっとけと。

「小問2は,目的物完成後の634条による瑕疵担保責任等と請負代金債務との同時履行の抗弁及び相殺の主張の可否,効果を問う」
・論点名列挙。出題趣旨では前からこういうの多いけど、試験委員は「論点主義」を求めているのでは。争点中心の新様式判決や争点整理手続拡充の影響だろうか。でもまあ要件効果から出てくる論点ではある。とにかく要件効果。
・「等」ということは、709条・415条とかでもいいってことか。しかしそれは本筋ではない、というニュアンスかな。
| meanlife | 2004/11/21 6:17 AM |
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